本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。
肩が痛くて病院、整形外科に行ったけれどよくならない。膝は痛くて関節に注射してもらっているけれど効果なく手術が必要といわれてしまった。
股関節または膝が痛いけれど原因がはっきりしないといわれて困っている。手首が痛くて手根管症候群と診断され、手術をしたけれど再発しまた手術必要といわれた。
これらの訴えは、アメリカ、日本のあちらこちらで常に聞かれます。では、どうしてこんなに多くの方が現代西洋医学の治療法でよくならないのでしょうか。それは、いつも私が言うように、その問題の根本的な原因が無視されている可能性が高いからです。
痛いという場所だけをどんなに検査してどんなに治療しても、痛みの発信の原因を除去しないかぎり、一時的に痛み止めの薬、注射で軽快してもその効果が切れればすぐにもとの症状が戻ってしまうわけです。
肩、肘、手首、手の症状は多くの場合、首の下の背骨(下位頚椎)に骨の微妙なずれによる神経の圧迫、刺激があり、股、膝、足首、足の症状は多くの場合、腰の背骨(腰椎)にそれが見られます。
重要なことは、まず背骨を検査し神経の問題があればそれを第一に除去することです。それによって、多くの場合、手足の痛みは良くなります。
しかしながら、背骨の神経の問題を除去していってもまだ痛みがある場合は、そこで初めて肩なら肩、膝なら膝の治療をしていきます。
デスクワークの多い方によくみられる“手根管症候群”は、医学では難治疾患ですが、カイロプラクティックでは首を治していくことにより、90%の患者さんは良くなると言われています。
私も日本で整形外科医として臨床していたときは、手術してもよく再発するので大変困ったことを思い出します。
アイオワ州のパーマーカイロプラクティック大学クリニックで私が診療していた時(2004年夏)、LA在住の日本人女性友人から、左肘の外側が痛くて何度もステロイド注射を受けたけれど良くならないので数週間後に手術が予定されている、と電話で相談がありました。
彼女に上記の情報を伝えた後、100%良くなるという保障はないが大いにチャンスはある、と伝えました。私の言葉に望みを持った彼女は、私の指示どおり、一週間アイオワ州に滞在し大学クリニックで私のカイロプラクティック治療を受けることになりました。
この時は、6番目の首の骨(第6頚椎)に神経の問題(サブラクセーション)を見出し、それを矯正(アジャストメント)して、肘を支配する神経の問題を除去しました。
一週間毎日治療しましたが、LAに帰るころには、肘の痛みは約半分になり手術はキャンセルされました。
その後徐々に改善が見られ、治療後3ヶ月ではほとんど痛みはなくなったとのことです。このように神経の問題を除去した後、症状の改善には時間が必要なのです。
それから数ヶ月して、メインテナンスとしてここフェニックスに再度一週間の治療に来られました。今では、毎日、二時間のテニスを全く痛みなしで楽しんでおられます。
∗米国アリゾナ州フェニックス日本人向け月刊雑誌「オアシス」に書かれた松久医師のコラムより