本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。
多くの人が膝の痛みに悩まされています。歩くと痛い、体重をかけると痛い、というような訴えです。
痛みの主な原因は、関節表面の軟骨が磨り減ることにより、関節の隙間が狭くなり、その結果、関節にある滑膜神経が刺激されることによるものとされています。
現代西洋医学的治療では、まず、痛み止めの飲み薬が処方されますが、それで軽快しない場合、ヒアルロン酸またはステロイド剤を含んだ関節内注射が行われます。それでも解決しない場合、人工膝関節置換手術が考慮されます。
または、痛みの別の原因として、膝の中のクッションの役割をもつ半月板が損傷した場合が考えられます。この場合、関節鏡を用いて、痛んだ半月板を取り去ってしまう半月板摘出術やそれを縫って修復する半月板修復術が適応されます。
私も日本では整形外科医として多くの人工関節手術、半月板手術を行いましたが、強い印象としてなるべく手術は避けたほうが良いと思われます。
何故なら、人工関節は一生もつものではなく、約10年が寿命なので何度も入れ替える必要がありますし、人工関節を入れても尚、痛みのとれない患者さんは沢山存在します。また、半月板手術も、大切なクッションを取り去ってしまうわけですから、悪い影響が出るのは避けられません。縫う場合は、まだ良いのですが、これも根本的な治療法にはなりえません。
膝に問題が起こるとき、まず考えなければならないのは、背骨に問題がないかどうかです。
何故なら、膝を支配する神経は胸椎下部から腰椎上中部にあり、ここに神経の問題がある場合、膝に痛みや障害を及ぼすのです。
もしくは、骨盤にゆがみがある場合も、膝に痛みや障害を起こしてきます。
ですから、まずは背骨や骨盤を治すことにより、自然に膝の痛みが治ってしまう可能性は大です。それでも良くならない場合は、薬、注射、もしくは手術を受け入れるのも時には必要でしょう。
整形外科医として膝の痛み、障害を診療していたときには、薬、注射、手術にても改善しない症例が沢山みられました。そのときは、このガンステッドカイロプラクティックにまだ出会っていなかったため、そのような患者さんらを助けることが出来ず、非常に悔しい、そして情けない思いをしたものです。
問題は、現代西洋医学は、症状のみを診て、その根本である原因を見逃している事実です。
根本的原因である背骨や骨盤を治し、その神経の状態を改善させてやることで、膝を全く触らずして、膝の痛みや障害が治っていきます。
膝関節の神経伝達が改善し、そして膝関節のかみ合わせが向上し、理想的な膝へと近づいていくわけです。
膝は毎日歩くのに不可欠なものです。
若いうちに膝を損傷した方は、治癒を早め、更なる損傷、退化を予防するために、そして、変形性膝関節症といわれ、膝関節注射を受けている方や手術(人工膝関節置換術)が必要といわれている方は、注射、手術から解放され、快適な毎日の生活が送れるよう、是非、膝の問題の根本的原因である背骨、骨盤を治されるようお勧めします。
手術から開放される喜びは大きく、その人の人生を変えます。
∗米国アリゾナ州フェニックス日本人向け月刊雑誌「オアシス」に書かれた松久医師のコラムより