本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。

誰でも悪い遺伝子(癌遺伝子など)を持っている

皆さんは、今まで生きてきた中で、体の中に悪い遺伝子を持っていると病気になり、良い遺伝子であればそうならないと教えられてきました。

テレビや新聞、インターネットで、ある癌に関与する遺伝子が発見された、また、その発見により今後の有効な治療法の確立が期待される、といった類のニュースを時々目にかけられたことと思います。

がん遺伝子を持つからがんになるわけではないのです

果たして、悪い遺伝子、例えば癌遺伝子があるために癌になるのでしょうか。答えはNOです。

実は皆さんの体はそんなに単純ではないのです。事実をいえば、私を含め、殆どの人が自分のDNAの中に癌遺伝子をもっているといわれています。

ではどうして、ある一定の人だけが癌になり、その他大勢の人はそうならないのでしょうか。

それは、遺伝子を調節する蛋白質Regulatory Protein (RP) の存在によります。

役者の起用を左右する映画監督

この蛋白質は、ある遺伝子が発現(実際に表に出て活性化すること)するかどうかを決定する役割を担います。たとえ話をするなら、映画監督が、どの役者、女優を使用するかを決めるのです。すなわち、役者A(遺伝子A)は起用するが、役者B(遺伝子B)は起用しないといった具合です。

この場合、遺伝子Aが癌遺伝子ならその人は癌にかかりますが、別の監督がBを起用し、Aを起用しなかった場合には、その人は癌にかからず健康でいられるわけです。このように、ここでいう映画監督は、体の中の調節蛋白質そのものなのです。

つまり、あなたの健康を映画にたとえるなら、良い優秀な監督を得れば、良い映画すなわち健康になり、その逆もしかりなのです。

もうおわかりのように、皆さんが癌などの病気にかからず健康でいるためには、優秀な監督、すなわち健全な調節蛋白質が必要になるわけです。皆さんが理解すべきことは、どうすればこの蛋白質がよい働きをしてくれるかということなのです。

心の働きがたんぱく質の采配を左右する

アメリカの高名な生物学者Bruce Liptonは、科学的に次の事実を証明しています。それは、人の感情がこの蛋白質に働きかけ、最終的に遺伝子の発現を変えるということです。

皆さんの感情、観念はすべて振動するエネルギーで出来ています。良い振動は調節蛋白質にエネルギー的に良いシグナルとなり、悪い遺伝子を押さえつけ、良い遺伝子を多く発現させるようになります。逆に、悪い振動は悪いシグナルですので、悪い遺伝子を多く発現させ、良い遺伝子を押さえつけるわけです。

ここでいう良いエネルギーとは、ポジティブな思考であり、またどんな自分をも愛する感情なのです。これらは、皆さんの生まれながらにしてもつ健康治癒力を強化する最も強力な感情エネルギーなのです。

反対に、エゴに基づく感情、ネガティブな思考からくる考えは、調節蛋白質の働きを狂わせ、痛みの起こりやすい、不調の起こりやすい、そして癌などの病気になりやすい体へと誘導してしまうのです。