本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。
“世の中で女性の存在は大きい。”“美しく、そして尚且つ強い。” この女性を生まれながらにして苦しめるのが生理痛、または生理不順です。
世の中のために、男性にはない苦をかみ締めてもらっているわけです。この女性が多少でも快適に過ごせるよう尽くすのが、あるべき医療の任務でしょう。
私がカイロプラクターをしていて最も幸せに思うことは、整形外科医として以前診療していたときには専門外として扱えなかったあらゆる分野の症状、疾患を救うことができるようになったことです。
現代西洋医学はあまりにも極端に専門化してしまったため、自分の専門であれば深く追求するが、そうでなければ全く診ないという形式が出来上がってしまっています。
ここで大きく問題になることは、それらの医師たちが人間を一つの神秘なる個体として見ないで、各種部品の集合体として捉えてしまっている現実でしょう。本来の医療の姿を考えれば、我々ドクターは、患者さんのあらゆる苦痛、問題に対処できなければならないのです。
通常、生理痛があると女性はいわゆる痛み止めの薬を飲みます。それによって痛み自体はある程度おさまるでしょうが、それがもとで胃をいためてしまったり、生理痛に伴う他の症状に苦しめられます。それは、頭痛であったり、疲労感であったり、精神のいらいらであったりするわけです。
では、これらの症状をとり快適になるために、皆さんは胃薬、頭痛薬、精神安定剤などを一緒に飲むのですか?
仕方ないと諦めてしまっていませんか?
今の現代西洋医学の考え方では、症状が出ればそれを薬で抑えるというのが基本になってしまいます。しかしこれでは、永久にいたちごっごになってしまいます。
大事なことは、“痛み”は体に何か不都合なことが生じているという重要なサインなのです。
私が強調したいのは、女性性器(子宮、卵巣など)に痛みを感じる神経の根本的な源である背骨に部妙なずれがあって、そこでその神経に圧迫が加わっているかどうか、ということです。この背骨の微妙なずれは、“サブラクセーション”といわれ、脊椎神経を圧迫することにより皆さんの体にあらゆる症状、疾患を起こしてきます。
特に、腰の骨(腰椎)にサブラクセーションがあれば、子宮の筋肉の異常収縮や血行不良を起こし、痛みとなって発現するわけです。
視床下部、下垂体、そして女性性器に作用する女性ホルモンの分泌がうまくいかないことによっても、生理の周期に関連した問題、すなわち生理不順を起こしてきます。これは、特に首の上の骨(上位頚椎)や腰、骨盤のサブラクセーションから生じることが多いようです。
いずれにしても、症状、疾患は単に薬で痛みを隠したり、ホルモン剤で症状を整えるのではなく、まずは根本的な問題を除去することが最も重要なわけです。それでも、改善しない場合は、薬の助けが必要になることはあるでしょう。むやみな薬の摂取は体には外敵です。皆様には常に体にやさしくあって欲しいと切に願っています。
∗米国アリゾナ州フェニックス日本人向け月刊雑誌「オアシス」に書かれた松久医師のコラムより