本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。
膝関節や股関節の痛みで医療機関を訪れると、医者からは、"関節炎 (Arthritis) ですね"もしくは"変形性関節症 (Degenerative Joint Disease) です"というお決まりの言葉が返ってきます。
この"関節炎"というものは、骨と骨の連結部位である関節の表面が炎症を起こしていることを意味します。いわゆるリウマチである慢性関節リウマチという疾患は、手足のあらゆる関節があちこちで炎症を起こすもので、ひどくなると生活に多大な支障をきたします。
関節炎に他にもいろいろなタイプが存在しますが、膠原病といわれる全身性疾患の代表的な症状としても頻繁に現れます。
また、"関節症"というものは、関節の表面を覆う軟骨が磨り減って、骨と骨の間にあるべく隙間が狭くなるかもしくは消失してしまい、その結果として炎症を伴い、痛みを起こしてくるものです。これは、日本人では特に多く見られる疾患で、日本人の生活習慣(正座など)とも関連が深いと考えられます。
関節症には、現代西洋医学では、人工関節置換術つまり関節全体を人工の金属に取り替えてしまう手術が行われます。私も、日本で整形外科医として診療していたときには、数多くの人工関節手術をこなしたものです。
しかしながら、自然治癒力を重視するアプローチを主として診療に当たっている現在、私の関節炎や関節症に対する治療方法は、先に述べた現代西洋医学のものとは全く違うものです。さらにいえば、私が今行う治療法こそが今後の世界の医療界に拡がるべきものといえます。
まず最初に、関節炎でも関節症の痛みでも、それらの原因として、体に炎症が生じやすい環境をもってしまっていると考えるべきなのです。炎症は、体のホルモンと自律神経のアンバランスから生じます。
また、体のホルモンと自律神経のアンバランスは、心の乱れやストレスから生じるのです。このことを理解できると、自然に最善の対策や治療法が見えてきます。それは、以下の三つのポイントに絞ることが出来ます。
∗米国アリゾナ州フェニックス日本人向け月刊雑誌「オアシス」に書かれた松久医師のコラムより